英語教室の中学生がまるで生気のない悲しそうな顔でやってきた。
両親それぞれから、互いへの愚痴を聞かされ続けて、すべてが嫌になったらしい。

昨夜、雪の降る寒い公園にひとりで座っていたという。
大好きな遠くに住むおばあちゃんからの説得で家に帰ったらしい。

この子は本当に気持ちの優しい子で、私が大好きな生徒のひとりだ。
学校でも友達の愚痴の聞き役ばかりらしい。

少し前から相談されたりしていたので、もっと自分を大切にすることを話したりもしていたのだけれど、中学生とはいえ長年続けてきた在り方を変えるのはやはり難しかったらしい。

この子が昨夜公園に居続けなくて本当によかった。
優しいおばあちゃんという、一筋の光があってよかった!

この子にとっては、この英語教室も自分らしくいられる場のひとつなので、ほかの友達がいても心の内を話してくれた。

そうしたら、他の子からも、受験のせいで親が色々うるさくいってきて辛いという打ち明けがあったので、ピンときて「お母さん、高校受験で失敗したんでしょ?!」と聞くとビンゴだった。

親のリベンジや、夫婦で向き合う問題を子供のあなたたちが肩代わりしなくていいことを、彼らにわかるように話していたら、その子も泣き出した。

こんなにピュアで優しくて温かいハートの子供たちを苦しめている親たち。
憎しみが湧いたというよりも、同じ親のはしくれとして、子供たちに申し訳なくてならなかった。

それでも私は、その親を選んできたのは自分たちだと彼らに告げた。
だから、誰のせいにもしない強さを持ってほしいと心から伝えた。

授業が終わっても机につっぷしたまま、家に帰りたくないという生徒を力いっぱい抱きしめて、ぼろぼろの彼女を癒して下さいと、彼女を守っている天使に頼んだ。

もう寒い公園に行かないでほしかったので、わたしのお気に入りのクリスタルを渡し、辛いときはこれを握りしめて天使に守ってもらうんだよ!と送り出した。

気休めかもしれないけれど、何か形で彼女を応援するものを渡したかったのだ。
この私が、「天使に・・」なんて言っているのが不思議だったけど、それ以外に思いつかなかったから。
そして、それを素直に聞いてくれた彼女で嬉しかった。

今も心から祈っている。
彼女の心と体をどうか守ってください。
そして彼女がこれを乗り越えて、本当の自分を生きていけるようになりますように。

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