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今はグレーゾーンを含めると、発達障がい者は10人に1人と言われています。私の体感では、更に多いような気がしています。 

しかもそれは、グレーゾーンといってもある程度診断がつくレベルのものであり、そこまでいかなくてもそういう要素を持った人達は、若い年齢ほど多いのを感じます。

またその反対に、年齢が高い世代においてグレーゾーンの発達障がいを持つ人は、自分が社会においてうまく機能できないことや、周囲との感覚の違いへの違和感に苦しみ、長い長い自分探しの旅を続けて、今なお出口が見えない人も多くいるのを目にします。

私が吉濱さんの著書やご本人と出会って楽になったのは、自分自身に使えるトリセツ、「取扱い説明書」を手に入れることで、できることやできないことが明確になり、押す必要のないボタンが動かないと悩まなくてよいと思えるようになったことなのです。

また他の人達のトリセツも、より効果的なものを読むことが可能となり、スタンダードなトリセツでは機能しない部分を持った方達への対処法がわかったことは、お互いにとってもより楽になるための方策だと知りました。

かつてアメリカでのセミナーなどに参加したときに、とてもサイキックな能力と美しい心を持った人達が、あまりにも繊細で生き辛そうな様子を目にし、一体これは何なのだろう?と疑問に思いました。

もちろんそれを超越して安定して生き、光を放っている人もたくさんいましたが、それでも魂と身体のアンバランスさに苦しんでいる人達の多さへの疑問が残ったのです。

発達障がいのことを学ぶにつれて、彼らの生き辛さがどういう類のものだったのかが、今はよくわかるようになりました。もちろん、自分自身も含めて。

「障がい」という言葉で呼ぶことで、この世界にはびこる差別や蔑視の視点が邪魔をするかもしれませんが、それでも私は、より自分や大切な人のことを知るための「取扱説明書」として、発達障がいと名付けられて研究が進められている分野のことを知ることは有益だと感じています。

ご自身に発達障がいの要素を感じる方には、吉濱さんの最新刊『発達障害とどう向き合うか』を読まれることをぜひおすすめします。(どんな仕事が向いているかなども書かれています。)

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『発達障害とどう向き合うか』吉濱ツトム著(実務教育出版)

自閉症、アスペルガー、ADHD…生きづらさは克服できる。人気カウンセラーが語る、症状を軽減し、豊かな社会生活を可能にする処方箋。・・自身も発達で障害で苦しんできた著者が一般社会にはびこる発達障害のさまざまな誤解を解き、悩み苦しむ当事者や保護者たちに向け、個性として向き合いながら、人生を豊かに生きるための具体的な方法を語り尽くす  


*マイナスの症状をプラスに転換する(5)
「俺が!俺が!」タイプ


自己顕示欲が強く、何にでもしゃしゃり出てくるタイプの人がいます。

積極奇異型アスペルガーや多動衝動性優位型ADHDに見られる症状ですが、定型発達の人の自己主張とは、明らかに程度が違います。
「俺が、俺が!」感が半端ないため、内向的な国民性を持つ日本社会では、ものすごく浮いた存在になります。

年齢が低ければ低いほど抑えがきかないものなので、小、中、高校生時代にはかなり顕著な行動として表れます。
学校では「イタイ奴」という目で見られることも多いでしょう。
大人になってから過去を振り返ったとき、「そういえば、友達って誰もいなかったかも」ということになりがちです。

とはいえ、このタイプはあまり人目を気にしないという特徴も持っているので、本人は周囲から浮いていることに気づかなかったりします。

本人はハッピー、周囲は大迷惑、という状況がよく起こります。

ただ、自己顕示というのは「正しさの誇示」の表れであるため、このタイプは基本的に正義感が強く、社会通念を重視する傾向にあります。

押しが強くて行動力もあるため、警察官などにも非常に高い適性があります。

基本的にアスペルガーやADHDは一人で黙々と取り組む仕事に向いていることが多いのですが、このタイプはチームで活動することも可能です。
アイデアマンやチームリーダーとして、プロジェクトを引っ張る役割を果たすことになるでしょう。

(吉濱ツトム公式ブログ 「未来への思考法」より) 
 

 
自分ではそこまで顕著だとは思っていませんが、どうやら私はこの型に分類されるようです。(そのまんま!というご指摘がありましたら、素直に受けます。笑)

自称「人見知り」な私なので(笑)、基本は大衆に紛れて静かにしていることもできるのですが、子供の頃から特に、「正しい」か「正しくない」かが関わってくると、どれだけたくさん人がいようが「正しい」を主張したくなってしまう性癖は自覚しています。 

他人の目を気にして、やるべきだと感じることをしないということは多分あまりないと思うのです。

もし身長と体力があれば、警察官になれば良い仕事をしたかもしれません。(家族からは、やくざに絡んですぐに殉職するわ!と揶揄されましたが・・笑) 

若くして亡くなったシンガーソングライターの尾崎豊さんなどは、きっとこのタイプだったのではと推測しています。飛びぬけた才能ともろさが同居していた、カリスマ性では群を抜いていた人だったと思います。(蛇足ですが、若い頃付き合っていた彼氏が尾崎豊さんに心酔していたので、ほぼ全曲歌えます!笑)

「イタイ奴」 でさえなければ、このタイプのアイデアマンやチームリーダーとしてプロジェクトを引っ張ることができる能力というのは、社会的にはとても評価されてしかるべきでしょう。

発達障がいを持つ人の才能は、すべてがこのようにもろ刃の剣なのですね。マイナスをプラスに転換することで、自己肯定感も高まり、社会にも貢献するということを知り、潜んでいる才能を発揮することに取り組んでほしいと願うばかりです。


 
『マイナスの症状をプラスに転換する』~ ⑥へ続く・・)