少し前に書いたブログ記事「家族を大切にすることvs自分を大切にすること」を読んで、母親との関係性で悩みのある友人がこう言いました。
「でも、うちのお母さんは優しい人だし、いい人だし、私は友達になれるかもしれない・・。」
それを聞いた私は、思わずこう言ってしまいました。
「じゃあ、もし友達を3人しか持てないとしたら、そのうちの一人にお母さんを選ぶ?」と。
すると友人は、すぐさま反射的に答えたのです。
「絶対、選ばない!」
思わず、周りにいた人達共々、爆笑しました。
そうなのです。
優しい人達は、そういうふうに自分の気持ちにカバーを掛けて、自分の本心に触れる事をなかなかしないのです。
別に、親を嫌いになれと言っているわけではありません。
ただ、家族関係に関しては、こと他人ならすぐにクリアにわかることでさえも、自分の気持ちに無意識に蓋をしたり、感じることを押し殺したり、逆に必要以上に反応したりしてしまうものだということを知る必要があると思うのです。
この友人は、母親を悲しませたくない、けれど自分を大切に生きたい・・と、親の思惑と自分のやりたい事がかみ合わないことに葛藤を抱えていました。
素直で純粋な彼女は、自分に注がれる母親の愛情(その中には執着とコントロールも含まれていますが・・)をそのまま受け取り続け、自立のための本当の反抗期を経ていなかったので、親の思い通りにしないことに少なからぬ罪悪感を感じるというジレンマを抱えてしまっていたのでした。
私も彼女とよく似た経験をしています。
子供の頃から母親が好きすぎて、彼女の言葉をそのまま鵜呑みにして、母の嫌いなものは自分も嫌いにならなければ・・というメンタリティーまで持ちました。(なので、父親のことがずっと大嫌いでした。笑)
大好きな母の言う事は深く私の思考形態にも刻み込まれていて、観念となってしまっているそれらを一つ一つ手放すプロセスは、まだ今も完全に終わっているとは言えません。
母の自己憐憫は、私や私の子供達にもいまだにそれを強要してくるので、私のみならず孫達までも、「おばあちゃんが他人だったら、絶対に付き合いたくない。」と言わせます(笑)
これに関しては、思い出すたびに「あっぱれ!」と思うある出来事がありました。
母の孫の一人である私の姪が、中学生になって携帯電話を持った時に、母から電話番号を聞かれたのでした。
私の子供達は、嫌々ながらも(笑)祖母に携帯番号を教えてはいるのですが、この姪っ子は「どうしてですか?」と問い返したらしいのです。
そして、「用があったら家の電話にかけてください。」と、母には番号を教えなかったのです。
母は、血の繋がりがある家族が絶対の人なので、姪の言葉にかなり落ち込んでいました。可愛いと思っている孫から、自分を否定されたような気がしたようでした。
しかしこの一件は、姪よりは10歳前後年上のうちの子供達からは絶賛されたのでした。
彼らにとって「うざい」電話をかけてくるお祖母ちゃんに、本当は彼らもうんざりしていたからです。
一見、心が冷たいか常識がないかとも取られそうな姪の言葉ですが、実は私もそれを聞いて、深く感心したのでした。
新しい時代の子供達の一人である姪は、とことん自分の気持ちに正直なのです。相手にどう思われるかよりも、自分がどうしたいかに素直なのです。
姪の親である弟夫婦は、お祖母ちゃんが傷ついたことを知り、姪に注意をしていたようですが、私が親だったらきっと、「あんたすごいわ!」と褒めてしまったかもしれません(笑)
なぜなら私は、母が傷ついたことよりも、なぜ孫がそう言ったかに気付く機会を母が得たことのほうが素晴らしいと思うからです。(多分、母には無理かなとは思いますが・・笑)
これからの時代は、血の繋がりよりも魂の繋がりの世界になっていきます。
義理や人情という、本心とは違うところからの動機で動くことはもう必要なくなりますし、因習も慣習も、それが心地よくないものならば従う必要はなくなるのです。
すべては、自分のハートに従うだけです。
それが全ての人にとって必要なことが起こる道筋だと思うのです。
親や家族と波長が合わないことは悪い事でもなんでもありません。
ただそうであるということを、ちゃんと知ることができていればよいのです。
そのことをジャッジする必要もありません。
波長が合わないなら、合わないなりの付き合いをすればよいのです。
愛情があるなしと、それは全く別問題なのです。
自分が自分らしくあること。まず自分を生きる事。
自分の本心といつも繋がり続けていることで、色んなことが氷解して行くと私は思っています。
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